インタビュー:卒業生の活躍
コンサル企業経営者が持つもう一つの顔は、生涯獲得賞金2億5千万円のポーカープロ
當眞嗣成 氏(株式会社トウマトータルビジネス 代表取締役 71回卒業・院75回卒業)
総合コンサルタント会社経営、プロ・ポーカープレイヤー。1982年8月25日、大阪市生まれ。
2001年、私立金光八尾高等学校卒業。2005年、本学経済学部卒業。2007年、同大学院経済学研究科、2009年、経営情報研究科修了。大学院在学中の2008年4月に、みずほ銀行入行。翌年11月、株式会社トウマトータルビジネス設立。現在、グループ8社を経営。ポーカープレイヤーとして、2019年に日本プレイヤー・オブ・ザ・イヤー受賞、生涯獲得賞金2億5千万円。2020年、スポーツニッポン新聞社など3社とプロ契約。
—司会 黒正部長と當眞さんの出会いについてお聞かせください。
黒正:
入学して間もない當眞さんが、教務部へやって来て「学内トップで卒業するために必要な成績と、大学院へ行く方法、税理士になるための最短コースについて教えてください」と質問されました。1年生としては極めて珍しい質問で、驚きました。その後も頻繁に教務部を訪ねてきました。
—司会 當眞さん、高校時代はどのような進路を考えておられましたか?
當眞
高校時代はプロのテニスプレイヤーを目指すほど練習に打ち込み、ほとんど勉強しなかったんです。そこで「大学に入ったら勉強する」と決心し、資格取得に向けて大学2年から税理士の専門学校へも通いました。
黒正
大学の成績は優秀で、2年から4年まで給付型奨学金を受けて授業料免除。大学院への進学を決めていたので、3年生では本学大学院の聴講を強く希望し、専門学校と合わせてトリプルスクールを実践してましたね。
當眞
国立大学の講義も聴講してみましたが、大経大のほうが面白かった。押し付けではない学生目線の授業が多く、チームに分かれて討論したり、中国の提携大学で実践的に学んだり……。教授の方々と仲良くなって、家族ぐるみの付き合いをさせていただいたこともありました。
—司会 大学院へ進学されましたね。
當眞
まず本学の経済学研究科で税制を研究し、授業の空き時間に税理士補として父の事務所に勤務しました。その後、北浜キャンパスで経営情報研究科修士課程を修了しました。
黒正
北浜キャンパス社会人大学院経営情報研究科では会計・ファイナンス、財務・IRの高度専門職業人、金融スペシャリストを養成していますので、将来、税理士として活躍するには幅広い学問にふれ、実務と理論を融合させた学びを強く希望していましたね。
當眞
北浜で1年目のとき、勝田泰久先生(元本学理事長・りそなホールディングス初代社長)も講義をされており、それらの講義を少人数制で受けるなど、著名な経営者の講義に触発されました。
—司会 北浜キャンパス在学中に、みずほ銀行へ入行されます。
當眞
上場企業の課長代理クラスのキャリア採用枠で、20人の募集に約三千人が応募。面接のシナリオを綿密に組み、その対策が功を奏して受かることができました。
黒正
當眞さんは情報収集能力に長けており、人から得る影響力や吸収力が高いのだと思います。人を巻き込んで物事を運ぶ力があるし、とにかくポジティブです。常に目標があって、ひとつ達成したら、すぐに次の目標に向かっていくのでしょうね。
—司会 その後、会社を設立しますね。
當眞
税務だけでなく、総合的にクライアントを支える会社をつくりたくて独立しました。当初の年間利益は1,200万円程度でしたが、現在は2億円ぐらい。経営・会計、生損保、不動産登記・法人設立などのコンサルティングを手掛けています。そのほか、ラーメン店のフランチャイズの会社も設立しました。そして2020年に日本プロポーカー協会も立ち上げました。
—司会 ポーカーを始めたのはいつごろですか。
當眞
10年ほど前、換金システムのない国内娯楽施設で体験したのが初めです。適性があったのか勝ち続け、海外の大会に参加費無料で出場する権利を得ました。海外でも結果を出し、2年前から主にスーパーハイローラーというトーナメントに参加。ゴルフでいうマスターズのような大会ですね。
—司会 これまでで最も賞金が大きかった大会は?
當眞
2019年12月のEPT(ヨーロピアン・ポーカー・ツアー)プラハ大会で賞金6,500万円。このとき1週間で2度優勝し、計9,500万円を獲得。2020年に3社とプロ契約を結んだところでコロナ禍に突入し、大会は軒並み中止となりました。
黒正
コロナ禍で大会の開催がないとプロの人たち、腕がさびついたりしないの?
當眞
オンラインのポーカーサイトを利用している人が多いんですが、僕は心理学的に相手の顔色を読み、駆け引きするので利用していません。
仕事でも、顧客と話しながら当社が扱うどのサービスがよいのか、ニーズを掘り出してプレゼンします。
—司会 経営とポーカーがリンクし、どちらにも有益に働いているのですね。これからの抱負を教えてください。
當眞
会社経営では今後、弁護士・司法書士事務所や不動産業もグループに取り込み、東京に支社を立ち上げて、提供サービスを拡大していきます。
ポーカーでは、経済に打撃のあった翌年に開かれる、賞金の端数を寄付する大会に出場するつもりです。また、日本プロポーカー協会として認定プロを養成し、リーグを発足させてスポンサーを募る。プロのeスポーツとして広く認知されるよう努めたいですね。
—司会 最後に、在学生への助言をお願いします。
當眞
僕は大学入学時に目標を立てて勉強し、道が開けて、今は自立した余裕のある暮らしができています。いつ頑張るのか、ということを考えてみてください。
どこかの時点で本気になり、ものごとに熱意を注いでほしいと思います。
—司会 ありがとうございました。
こちらは 同窓会誌「澱江56号」掲載の記事です
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