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2017年度卒業式・学位授与式 盛大に行われる 大きな可能性を秘め1682名が巣立つ |
2017年度の卒業式、学位授与式が、2018年3月17日(土)、70周年記念館「フレアホール」で盛大に挙行された。式は午前10時から経済学部、人間科学部、大学院経済学研究科・人間科学研究科、午後1時から経営学部、情報社会学部、大学院経営学研究科・経営情報研究科の2回に分けて挙行され、卒業生は学部生合計で1627名、大学院生合計55名、計1682名で、卒業生総数は9万7086名となった。
会場は真新しいスーツ、晴れ着で正装した卒業生や父母で満席となり、吹奏楽部の演奏、グリークラブの合唱で卒業式の雰囲気が盛り上がるなか、来賓、列席者の紹介が行われた、各総代に卒業証書、学位が授与された。
(コ永光俊学長式辞・抜粋)
本学は、1932年の浪華高等商業学校に始まり、昭和高等商業学校、大阪女子経済専門学校を経て、1949年に現在の大阪経済大学になり、2012年に創立80周年を迎えました。今回、卒業される学部生が合わせて1627名、大学院を修了された皆さんが55名、これまでの卒業生は合わせて9万7086名になりました。2年後には10万名を超えることになります。学部生の皆さんは84期生になり、86年の歴史を刻んできました。先輩からのバトンをしっかりと受け継ぎ、大経大プライド、大経大の卒業生としての誇りを持っていただきたい。
皆さん方は、これから社会へ旅立ちます。本学の初代校長の黒正巖博士は、「なりわいの道は変われど さしていく 高嶺の月はひとつなりけり」と詠んでいます。「なりわい」とは「生業」、「仕事」のことです。生活していく道は皆違うけれども、目指していくべき高嶺の月はひとつである、という意味です。富士山の登山口はいくつもあるが、どの道から登っても頂上に着く、ということです。高嶺の月、つまり目標は何でしょうか。黒正博士は「道理貫天地(道理は天地を貫く)」と言われた。これは、世界でオンリーワンの大経大のオリジナルの言葉です。ここにいる皆さん一人ひとりがこの言葉の意味を考えてほしいと思います。「道理」は古今東西それほど変わるものではありません。中国の孔子は、「一以貫之(一を以って之を貫く)」、そしてギリシャの哲学者ソクラテスは「よりよく生きる」と言っています。その「一」と「よりよく」のよく意味を考えてほしいと思います。
私は、授業でもゼミでも「おかげさま」、「おたがいさま」ということを言っています。故里の松山で、亡くなった母からいつも言われていた言葉です。「俺が、俺が」の「我の世界」ではなく、「おたがいさま」と認め合い、いたわり合い、これが私の生き方の原点であり、研究や教育の基本姿勢であり、学長としてのスタンスです。「道理貫天地」、これからの社会のなかで、この言葉、大経大のオリジナルのこの言葉を覚えておいてください。きっと皆さんの生きる支えになると思います。
そして、今日、お帰りになったら、大学に行かせてもらったお父さん、お母さん、学費負担者の皆さんに卒業証書を見せて「どうもありがとうございました。おかげさまで卒業できました」。たったこの一言を是非言っていただきたいと思います。本学は2022年に90周年、2032年に100周年を迎えます。是非、その時には母校を訪ねてほしいと思います。本学は皆さんにとって第二のホームです。待ってます。皆さん、卒業、おめでとう。
(藤本二郎理事長式辞・抜粋)
私も本学の卒業生であります。卒業後は一般企業に就職し、社会人、企業人として一生懸命仕事に取り組みました。その礎になっているのは本学での学びであり、仲間であったと確信しております。皆さん方も本学で学んだ知識や経験を、そして大学生活で得た仲間を大切にして、存分に社会で活躍していただきたいと思います。
本学の先輩、そして社会人の先輩として皆さん方に伝えたいことが二つあります。その一つは、バイタリティとセンシビリティを大切にするということです。社会に出たときに、まず大切なのは、周囲の人々との間に信頼関係を築くことです。自ら積極的にコミュニケーションをとり、失敗を恐れず、いろいろなことに果敢にチャレンジし、経験と実績を重ねてください。何も恐れることはありません。失敗してもめげずに挑戦することが大切であります。そして、その姿勢が周囲からの信頼関係を勝ち取ることにつながります。
また、良い人間関係を構築するためには、相手の立場を理解し、相手の気持ちを思いやる人の痛みがわかる心遣いが肝要です。何事にも無関心であってはなりません。バイタリティとセンシビリティをもって仕事に取り組む。そうすれば、大きな目標を達成し、夢を実現することができると私は確信しております。
二つ目は、健康であってほしいということです。今、申し上げたバイタリティを発揮するにも健康でなければなりません。健康には身体と心の健康が共に大切であります。神様はチャンスを皆に平等に与えると言います。その平等に巡ってくるチャンスをものにし、大いに活躍できるか否かは健康次第であります。
私たち大学の教職員は、皆さんの人生の大切な時期に関わりを持たせていただいたことを誇りに思っております。卒業生の皆さん一人ひとりを誇りに思っております。本学は、社会の多くの人々から支持され、応援いただける大学であるための第一の指標は卒業生の皆さんが社会で思う存分活躍していただくことです。皆さんには、それぞれの立場と自らの夢を大きく実現されるとともに、その夢の実現を通して、大いに社会に貢献されることを期待しております。
皆さんのこれからの輝かしい人生を心より祈念しつつ、卒業に際しての心からのお祝いの言葉といたします。
(田村正晴大樟会会長式辞・抜粋)
昨年、「100年時代の人生戦略」という本が話題になりました。平均寿命が80歳を超え、いよいよ100年のスパーンで人生設計をしなければならない時代だというわけです。私が本学を卒業した頃の定年年齢は55歳でした。ところが、いまや定年は65歳、さらに70歳へと延びつつあります。しかも、皆さんの老後は必ずしも安泰ではありません。そうすると、これからの人生設計は昔と随分違ってくることになります。
これまで企業社会では人事政策を立てるのにモデル年齢、モデル賃金という考え方をしてきました。標準的な社員の「結婚年齢は28歳、第一子が生まれるのは30歳、この人が管理職となるのは38歳」とするモデルを想定し、賃金体系をはじめ日本的人事制度を作ってきました。これを当てはめれば、皆さんは6年後に結婚し、8年後には子供がおり、16年後には管理職になっていることになります。皆さんに想像できますか?
時代と共にこのモデルも変化しつつありますが、一方で変わらないと思われることもあります。それは「38歳管理職」モデルです。大手企業の社員は現在もこの前後の年齢で課長職に昇進しています。また、昨今の社長の就任年齢に至ってはむしろ若くなる傾向すら見られます。これは定年が延びる分「細く・長く・ゆっくり生きたらよい」というものではどうもなさそうだということです。むしろ、これまでよりも早いスピードで高いレベルの知識、能力を身につけ、70歳代まで持続可能な体力、スキルを備えておかなければ長い職業人生活を送るのは困難になるだろうと思われることです。
幸いにして、皆さんの就活は売り手市場でしたが、10年前はリーマンショックという世界同時不況があり、皆さんの先輩の就活は超氷河期と言われました。これからの人生ハッピーなことばかりではありません。そこで、皆さんに心がけてほしいことを二つ申し上げます。一つは、「職業能力・キャリアを積む」ことです。私たちは給料をもらうためだけで働くのではありません。職場で身につく知識、能力、スキルは給料に換えがたい生涯の財産になります。二つ目は、「三日、三月、三年はやり抜け」です。間違っても三年未満で退職しないこと。どんな世界でも言えることですが、一年、二年ではキャリアになりません。ただの落伍者でしかありません。途中で投げ出さず、不断の努力を重ねた人が最後に勝ち上がるのがスタンダードな勝利のセオリーです。皆さんのご活躍を祈念し、祝辞といたします。
この後、卒業生代表からの答辞が述べられ、全員で学歌を斉唱して、卒業式は滞りなく終了した。
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