2008
 
2008年度
寄稿原稿特集

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今も母校に向けて最敬礼

 桂三枝のテレビ番組“新婚さん!いらっしゃい”のスポンサー会社として知られるナカバヤシ(株)の社長に就任して4年。一時低迷していた企業業績を「社内カンパニー制」の採用など、採算性重視の経営戦略に転換、V字型回復を果たし、ニッチ市場でのナンバーワン・オンリーワン企業を目指して経営のかじ取りに精を出している。

 そんな中林さんの学生時代は、まさに学生運動の華やかなりし頃で、早朝学校を訪れると、待ち受けていたバスに乗せられ、大阪市内の扇町公園の広場でシュプレヒコールの練習をさせられる。

 「だから学校で勉強をしたという思い出は残っていませんね。ただ幸いなことに、そんな中でも友人には恵まれ、北海道や九州へ周遊券を買い求めてよく旅行に行ったものです」と、学生時代を懐かしそうに語られる。

 「昭和40年春、卒業してある商社に就職を決めていたのですが、当時の社長に説得されて当社に入社、東京支社での営業部員がスタートでした」と。

 以来ナカバヤシは、フエルアルバムに代表される事務、家庭用品、シュレッダなど環境・事務機、図書館サポート事業など、最近ではインターネットで注文できるフエルフォトブックと称する写真集作成サービスに乗り出すなど業容を広げ、業績も平成20年3月期503億円、同21年3月期515億円を見込むというように順調に推移している。

 「従業員900人、連結で1700人が元気で仕事に取り組めるのも、私は母校のお陰だと思っています。だから東京出張の際、帰路の新幹線座席は必ずA席を取るのです。そして大阪到着の5分前、母校の側を通過する際、お世話になりましたと最敬礼するのです。いま10数名の卒業生がおりますが、幹部社員になる人材を広く求めております。これからもお世話になることと思いますが、素晴らしい人材をよろしくお願いします」と母校に寄せる期待は大きい。

(聞き手=森川義一)

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ナカバヤシ(株) 代表取締役社長
中林 五十一氏氏(31回卒)