2008
 
2008年度
寄稿原稿特集

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地域に開かれた大学を実践する人間科学部

 少子化が叫ばれ定員割れの大学が表面化する中、本学は今年も順調に入学志願者を集めている。なかでも体育、英語の教員資格が取得できるようになった人間科学部の存在が注目されるようになってきた。そこでこの2月に副学長に就任された中尾美喜夫教授に中平秀覧同窓会会長が、最近の人間科学部の現状を聞いてみた。

中平 副学長に就任されて仕事面で変わりましたか。
中尾 今のところ会議が増えただけで、別に副学長になったからといって変わりはありません。(笑い)
中平 今年も本学入学志願者はまずまずだったようですが、人間科学部は如何がでしたか。
中尾 本学部は今年で開設7年を迎えましたが、一時下降線をたどった時もありましたが、ここ数年は上昇に転じ、1学年200人、全学部で800人の学生がユニークな授業を学んでおります。
中平 体育、英語の教員資格を取得できるようになったこともプラス要因となっているのでしょうか。
中尾 入学案内のため8校ほどの高等学校を訪問しましたが、確かに教員資格の取得科目が拡大したことはプラス要因になっていると思います。しかし本学の人間科学部は、人間の心理を学ぶ臨床心理領域、人間を取り巻く社会を学ぶ産業社会領域、身体のメカニズムを学ぶ健康・スポーツ領域、人間が作る文化を学ぶ共生文化領域と4領域を学ぶことができる。
「人間とは何か」という永遠のテーマを学ぶうえで、こうしたいろいろな領域をかかえていることが必要なんですが、そもそも目的が不透明な学生が多い。それに入学時の18歳の時点で自分の将来をはっきりと見極められないでしょう。だから教員になろうと思って入ってはみたが、やはり別の道に行きたいと思う人もいるでしょう。これもひとつの生き方ですから・・・。要はなんでもやれる。そんなフレキシブルなところがいいのではないでしょうか。大切なのはそれをやり切ることと、マネージメント能力を身につけさせることだと考えています。
中平 最近地域住民の間で本学の健康運動が人気を呼んでいると聞きましたが。
中尾 予防医学などと連携して健康科学、スポーツ科学を学び、健康運動指導士の資格を取得できるようになっており、そこで学ぶ学生約30人が毎週木曜日に本学体育館で地域住民の方々に健康運動を指導しています。この地域に長年住んでおられる方が「これまで経大の門をくぐったこともなかったが、こんなにボランティアの学生が親切に指導してくれて、ありがたいことだと思っております」と感謝しておられます。これがまさに地域に開かれた大学ということでしょう。
中平 お忙しいところありがとうございました。

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中尾教授と対談する中平同窓会会長