2008
 
2008年度
寄稿原稿特集

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早くもロンドン五輪へ照準

 先の北京五輪バドミントンで末綱・前田組が世界ランキング1位の中国チームを破り、日本人としては初の第4位の快挙を成し遂げ、日本中を感動させたが、あの2人の選手を育てたのがNEC SKYの今井彰宏監督。今井監督がバドミントンを始めたのは中学生時代。

 大経大に入ったころのバドミントン部は、関西学生リーグの2部に低迷していたが、そこで頭角を表し、その年の秋に1部リーグに昇格。NTTを経て、トナミ運輸在籍中にNECの宮本幸弘監督から「うちを日本一のチームにしてくれないか」との誘いに、当時「もう少し選手生活を続けるかどうかで悩んでいた時期だったので、これからは他人のために頑張ってみよう」と、監督の一言で「自分の迷いが吹っ切れた」という。

 当時のチームはリーグ8チーム中5〜6位と低迷。週2日の勤務以外は練習に打ち込ませてくれる会社の環境に「良い素材の選手が揃っているのに、これでは環境に甘えている」と徹底的に意識改革を進めて行ったという。

 末綱選手は監督が入社した時はまだ2年目。前田選手は今井監督自らスカウトした選手だ。

 「監督としてよりも先輩として接している」という。

 同チームは、昨年全日本実業団選手権では創部24年目にして初優勝を果たし、「シルバーコレクター」の汚名返上。

 今や2人の看板選手はオグシオを凌ぐ人気ぶり。今井監督は「この北京五輪でバドミントンをメジャー競技にのし上げてくれたことが一番うれしい」という。

 これから、早くもロンドン五輪に照準を合わせ、一時も気を休めることは出来ない緊張の日が続く。

(聞き手=小林真人)

写真
NEC SKYバドミントン部 監督
今井 彰宏氏(58回卒)

略歴
昭和45年1月14日生まれ。
38歳。福井県勝山市出身。平成元年3月経済学部入学。学生時代は、西日本学生選手権ダブルス優勝が最高。平成4年3月卒業。同年4月NTTへ入社。全日本選手権で第3位。混合ダブルスで優勝、全日本メンバー入りを果たす。その後、トナミ運輸へ移籍。2年連続全国2位。平成13年からNECへコーチとして移籍、現在は監督。現在、同チームは日本リーグ2位。