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重宗部長の所属する米穀部の主な仕事は、山口県内で生産される米をはじめ麦、大豆の集荷から販売までを担当。何と言っても最大の命題は米の消費拡大。国民の主食を扱う全農の中枢組織を担う。 時には、量販店などで率先して店頭販売の先頭に立つ。 「ごはんは、茶碗1杯でわずか30円。その上、炭水化物やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が含まれており、こんな理想的な食品が他にありますか」と、宣伝部長の顔になる。最近は学校給食で除々にではあるが米飯給食を取り入れる割合が増えていて、米の良さが見直されつつあるそうだが、「それでも1人が1年間に食べる量は昭和37年に比べれば半分の60kg程度」だという。 このところ米を中心とした日本型食生活の改善と消費者の安全・安心意識が高まり、減反政策を見直す動きも見られるなど、重宗部長にとってわずかに明るい話題もある。「放置された田んぼが少しでも活用されるなら、食料危機の解消になるだけでなく、農地の保水能力も増し、災害から土地が守られることは案外知られていない」と、農業の大切さを強調する。 しかし、このところ肥料や燃料などの農業資材は昨年に比べ160%も上昇し、農家を直撃。 一方では60kg当たりJAの米の買い入れ価格1万3000円程度に対し、農家の生産経費は1万6800円と完全な赤字。 「もう少し米価の値上げをお願いしたいところだが、このところの諸物価の相次ぐ値上げに消費者の理解が得られるはずもない」と、重宗部長の消費者と農家との板挟みの苦悩は続く。汚染米が市場に出回り、大きな社会問題となっているが、これは論外! (聞き手=小林真人)
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