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ANA(全日本空輸)の旅客機ボーイング767型機の機長を務める相良徹さん。月の半分は国内はもとよりグァムや東南アジア方面へと国際線も運航されている。 見た目はスラリとした細身タイプの方だが、お話を伺っていると、鍛えられた肉体に加え、パイロットに求められる「完全無欠」ともいうべき強靭な職業意識を持たれているのが、ひしひしと伝わってくる。パイロットの出身学部といえば、数学や物理に強い理工系を思いがちだが、実体は経済や法科系の文系と半々という。 4年生の夏、ANAの入社試験で1、2、3次テストとすすんでいき、もしかして「採用されるかナ」と胸を躍らせた。そして1991年4月、約4000人の応募者の中から見事自社養成のパイロット訓練生として合格、採用された。振り返えってみて「協調性とチャレンジ性さらに行動性が評価されたのでしょう」とおっしゃる。やがてパイロットとして待ち受けていたのは厳しい訓練の連続で、アメリカでのトレーニングはすべて英語でしか通じない。 学生時代、成長著しい中国経済に魅せられ、中国の経済特区に自分の将来を描いた。2年生になり1年間中国・西安に留学。各国からの留学生と交流を深める中、中国語をマスターするには英語力の上達が欠かせなかった。この時の努力がANA入社に大きく影響する。留学を終え復学後3年生で中国経済論の山本恒人ゼミを専攻、その縁で今も山本先生とは親交されている。 パイロットとして3年6ヶ月の訓練を経て副操縦士として羽田空港に配属された。94年9月4日、関西国際空港開港の日、関空発の仙台行きでフライトの初デビューを飾られた。現在、北京・大連・香港・台湾へもフライトされており、中国との縁は今も続いておられる。 「機長は出発から到着まで沢山のスタッフを動かすマネージメント能力と【安全】、【定時性】を守るのが絶対的使命です」。物静かに言い切られる相良さん、多くの人命を預かる空のプロとして、飛行機に乗られる相良さんの背中は実に大きくみえました。 (聞き手=平田義行)
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