2008
 
2008年度
寄稿原稿特集

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カヌー競技の総合優勝が夢

 「高校時代に知ったカヌーの底知れぬ面白さが、その後の私の人生を決めました」愛媛県体育協会クラブ育成アドバイザーとして、地域のスポーツクラブの普及活動に専心するかたわら、週に4〜5回は出身の高校や松山市内の練習場で、中・高校生にカヌーをコーチされている。

 キッカケは大洲高校で友人に勧められるままに入ったのがカヌー部。が指導者もおらず、初めは10メートル進んでは転覆、風が吹いても転覆の連続だった。しかし「水の上にでれば全てが自己責任。まして試合で勝つにはどうすればいいか」試行錯誤の毎日だった。元来、人見知りがちな作田さん、カヌーに強くなるため教えてくれる指導者には遠慮なく会いにいき情報を集めた。気がつけば驚くほど積極人間に変わり、その前向きな姿勢は学業の向上にも効果があったという。

 大学選びはカヌー部があり練習環境も整っており、また就職率も高く社会での実務教育も充実している大阪経済大学は、申し分のない志望校だった。入学後、早速カヌー部の門を叩くと技術を教えてくれる先輩、年間を通じて練習できる環境、沢山の練習仲間など、4年間はまさに理想郷に入った心境で、まさにカヌー漬けの幸せな日々だった。4年生の時に、全日本学生カヌー連盟の理事長としてインカレを始め大きな大会の運営を任されるなど、貴重な経験をされた。当時知り合った他大学の仲間は今もカヌーでつながっているという。

 「何事も多くの人に教わること、そしてつながりを大事にすること。その経験が全く関係のないように思える部分で、自分を助けてくれるものです」と真っ黒に日焼けした顔でおっしゃる。含蓄のある言葉である。

 そして「2017年の愛媛国体でのカヌー優勝が、私を育て支えてくださった方への恩返しです」 作田さん、頑張ってくださいと思わず手を差し伸べた。

(聞き手=平田 義行)

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財団法人 愛媛県体育協会
作田 拓氏(72回卒)